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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第12章 俺の恋人は藍玉の天使《後編》❀豊臣秀吉❀





「はぁー……これは随分煌びやかな木だな」




秀吉さんが上を見上げ、大きなため息をつく。

私達はコーヒーショップでコーヒーを買い、少し歩いてこの街で一番大きなクリスマスツリーを見に来ていた。

高い高いもみの木に、無数に飾られたオーナメント。

それは赤や金、白などクリスマスらしい色合いで、華やかに飾られていた。

その合間から光る、淡い電飾。
それは本当に綺麗で……

心がワクワクと踊る反面、私をホッと落ち着かせた。




「クリスマスツリーだよ、クリスマスになると飾るの」

「こんなの、戦乱の世の中じゃ見れないもんな……すごい文明の発達だ」




秀吉さんは繋いだ手をコートのポケットに入れ。
そして、もう片手でコーヒーを持って、まるで飲み慣れたように飲んでいる。




(なんだろう、コーヒー初めてのはずなのに、このサマになる感じ)




なんか何をしていても格好いいな。
この手もなんか、ドキドキするし

本当に……好きすぎて困る。

そんな事を思いながら、カフェモカを飲んでいると。
秀吉さんが、ぽつりと言った。






「本当にここは……平和な世界なんだな」






そう言われ、思わず秀吉さんを見る。
すると、秀吉さんはゆっくりツリーからこちらに視線を変えた。




「人も賑やかで、便利で、少し急いでる気はするけど…でも平和で穏やかで。本当に未来なんだな、ここは」

「秀吉さん……」

「お前と言う人間がどうして出来たのか、少し解った気がする」




その声は少し寂しげで……
どうしたのか問おうとすると、秀吉さんの方から先に口を開いた。






「なぁ、美依。この辺では海は見える場所は無いのか?」






(……海?)



そう言われ、思わずキョトンとなる。
そのまま少し考え……

思い当たった事を、素直に秀吉さんに話した。




「ちょっと歩くんだけど、海の見える公園があるよ。船とかも泊まっているんじゃないかな」

「そこ、行ってみたい」

「構わないけど…今から行くと夕方になっちゃうよ?」

「それでもいい、案内を頼んでいいか?」




今までの行き先は、全て私に委ねていた秀吉さん。
そんな秀吉さんが、そう言うなら…

私はこっくり頷き、そのまま案内をする事にした。




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