〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第12章 俺の恋人は藍玉の天使《後編》❀豊臣秀吉❀
「今日はめいいっぱい、楽しい日にしようね!」
忘れられない人生の一日にしよう。
女神様が言った通り、素敵な思い出を作ろうね。
そんな思いを込めて、秀吉さんを見つめる。
すると、秀吉さんはくすっと笑って…
『そうだな』と一言だけ、優しく呟いた。
こうして、私と秀吉さんの。
奇跡的なクリスマスデートは幕を開けたのだった。
────…………
「秀吉さん、この服似合うかな?」
「いいんじゃないか?明るい色がお前に映えて」
「わぁ…こっちの髪飾りも可愛い!」
「きっと似合うぞ、つけてみたらどうだ?」
「秀吉さん、さっきから褒め言葉しか言わないね」
「だって本心だから仕方ないだろ?ほら…人にぶつかるぞ、もっとこっちに寄れ」
電車に乗り、私達は街へと繰り出した。
ショッピングタワーのお洋服屋さんに寄って服を見たり、雑貨屋さんでアクセサリーを見たり。
美味しいお店でお昼ご飯を食べたり、その後は恋愛ストーリーの映画を見たり。
それは戦国時代に居たら、絶対体験出来ない『現代のデート』だ。
秀吉さんは戸惑いながらも興味深々なようで、色んな物に触れ、そしてため息を付いていた。
『これはなんて読むんだ?』
『これはどうやって動いてる?』
『何から作られてるんだろうな』
秀吉さんの現代への探究心は止まらず、私は質問攻めに遭いながらも…
秀吉さんは、しっかり私をエスコートしてくれた。
それは、周りからの目が痛いほどに。
本当に秀吉さんは格好良すぎて、周りからの目を引いて。
色んな人が、振り返っては秀吉さんを見ていた。
そのくらい、私の恋人は魅力的なんだよと。
声を張り上げて、叫びたくなった。
何故こんな素敵な人が、私の傍に居てくれるんだろう。
出逢ったのが運命だとしても…
私が秀吉さんにしか惹かれない理由が、よく解る。
それは、私しか知らない秀吉さんの素顔があるからだ。
上っ面の優しさじゃない所も。
芯からの生き様が格好いい所も。
二人の時しか見せない男らしい一面も。
この人を彩る全てが…私は好きだ。
(こんなに好きなの、なんか悔しいけど)
そう思っても、敵わないから。
悔しくても、好きな事実は認めるしかないんだ。