〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第11章 俺の恋人は藍玉の天使《前編》❀豊臣秀吉❀
「不思議な事って、あるもんだね……」
「本当に。でもまさか秀吉さんまで来てるなんて…愛の力ってすごいな」
「え、そ、そうなのかなっ……」
佐助君の言葉に、思わず赤面し、お茶を飲み干す。
そして、これから先どうなるのか。
また戦国時代に戻れるのか……と言う話を。
今まさにしようとした時だった。
────ガターンッッ!!
「!!」
派手な音を立てて、何かがベッドから落ちた音がした。
「いってぇ……っっ!」
「あ、まさか、秀吉さん落ちた!?」
その痛そうなうめき声に、慌てて駆け寄る。
すると、案の定。
秀吉さんは毛布にくるまったまま、ベッドの下で痛そうに腰をさすっていた。
「秀吉さん、大丈夫!?」
「いてて、美依……って、ん?お前、何そんな奇天烈な格好してるんだ?」
秀吉さんに言われ、思わず自分の格好を見る。
現代のワンピースにカーディガン。
それは確かに秀吉さんには奇天烈に映るかもしれない。
すると、秀吉さんは周りをきょろきょろと見渡し……
びっくりと言うか、怪訝な表情を浮かべて、眉をひそめた。
「なんでこんな所に居るんだ?昨日、俺の御殿で寝たよな?」
「……秀吉さん、聞いて。ここは私の部屋なの」
「お前の部屋?……でも城じゃないよな」
「違うの、現代の…五百年後の私の部屋なの」
「……は?」
秀吉さんは頭にも表情にも、疑問符を浮かべている。
どうやって説明しようか……と思っていると。
私の後ろから、ひょいと佐助君が秀吉さんの方に顔を出した。
「秀吉さん、おはようございます」
「は…佐助!?なんっで…お前ここに、と言うか、お前も随分と奇天烈な格好してるな」
「秀吉さん、説明するんで、こっち来てもらっていいですか?」
当然の如く、秀吉さんには着替えがないので。
裸に毛布を巻いたままの姿でテーブルまで来てもらう。
そして、今まで私達が話していた事を、秀吉さんにも説明した。
ここは私達が居た世界で、戦国時代ではなく。
起きたらここに居た事。
佐助君も同じ状態で、私を尋ねて来てくれて。
お互い変な夢を見た事。
すると、秀吉さんも変わらず怪訝な表情で……
納得いかないように話し始めた。