〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第10章 聖戦!HONEY*NOEL ❀信長END❀
────聖夜に天使は淫らに乱れる
唇から媚薬を。
そして、魔法の言葉を紡ぐ。
相手を虜にする、秘密の呪文。
そして、煌めきを。
この身に甘美な刺激を。
全て蜜毒になって、この身を犯す。
「美依、また出るぞ…ぁあっ……っっ!!」
「のぶ、さまぁっ…熱い、壊れ、ちゃう……!」
「貴様が足りない、もっと寄越せ…申した筈だ、俺が満足するまでその身を捧げろと…美依……っっ!!」
びゅるっ!どぴゅぅうっ!ごぷっごぷりっ……!
吐き出す欲望は、赤裸々に。
種となって、駆け抜ける。
美依の全てに溺れながら。
聖なる蜜夜は過ぎていった。
美依の愛を、この身に感じて。
天主の外に、儚い雪の子だけが、そっと降り積もっていた──……
────…………
「メリークリスマス!」
次の日の夜、降誕祭当日。
俺と美依は、改めて天主で二人だけの『くりすますぱーてぃ』を開いた。
佐助が勝手に庭から切った、松の『つりー』
美依が作った『けーき』や……
口に珍しい、南蛮の酒も。
全てが心を満たし、己を満たしていく。
もっとも…美依が居るだけで、満足なのだが。
あの愛くるしい笑顔を見るだけで……
この手にした甲斐があったと言うものだ。
「へ!?信長様、全部計算だったんですか!?」
腕の中で『けーき』を食べながら、美依が素っ頓狂な声を上げる。
くすくす笑いながら、その口端に付いたけーきを取ってやり……
そして、昨日の恋文に対して、本音を話す。
「貴様が俺を好いている事は解っていた。しかし強引に奪ったとて、貴様が素直に受け入れる筈が無い。なら…貴様の方から貰ってくれと、言わせたまでだ」
「つまり、私が告白しやすい状況を敢えて作ったと」
「そうだ」
「うわぁ…なんか悔しい、あの恋文すごい感動したのに…ハメられた感が否めない!」
(…すぐにそのような愛らしい顔になる)
むくれて頬を膨らます美依。
全く、こやつは可愛らしい表情しか出来ぬのか。
そう思い、優しく膨れた頬を撫でると、美依は呆れたように表情を緩めた。