〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第10章 聖戦!HONEY*NOEL ❀信長END❀
「の、信長様っ……!」
『ある考え』が頭によぎり、思い切って信長様の元に戻る。
すると、信長様はまた砂時計をひっくり返し……
傍にしゃがんだ私を見て、唇の端を上げて見せた。
「どうした、ほら、三回目の砂が落ち始めたぞ?」
「……信長様、失礼します」
「ん……?」
私はゴクリと唾を飲み、思い切って信長様の懐に手を入れた。
信長様はピクリとも動かない、しかし。
『俺の大事な温かい場所』
それは、信長様の懐だったり、心臓だったり。
そう言う意味での『温かい場所』では無いのか?
そう思って、手を差し入れると。
手に、カサリ…と紙の様な物が触れた。
反射的にそれを掴み、引っ張り出す。
「あ、手紙……?」
そこから姿をみせたのは、文のようだった。
丁寧に三つ折りにしてあって……
綺麗な薄桃色の和紙で。
明らかに『特別な文』を匂わせていた。
思わず、それをゆっくり開く。
そして、中に書いてある文面を読んで……
私は思わず、目を見開いた。
『美依へ
貴様への想いを、どうやら自覚する時が来たようだ。
俺は貴様を幸運な拾い物だと。
そんな風に思っていた。
しかし、時が経つにつれ。
貴様を愛らしい、愛しいと思うようになった。
この腕に抱きたい、貴様の心も身体も……
俺だけの物にしたい、と。
この気持ちの名前はなんなのか。
それは貴様が教えてくれた。
美依、俺は──……
貴様を、心から愛している。
俺と一緒に未来を歩む気はないか?
俺は、貴様だけを一生、心底愛し続ける。
そして解らせてやる、どれだけ愛しているかを。
たとえ、時が何百年経ってもな。
この文が入って居た場所、俺の高鳴る心の臓を
貴様にくれてやる。
それは、俺は貴様の物だと言う事だ』
「……見つかってしまったか」
文を読み、絶句している私に。
信長様はぽつりと呟き、肩をぽんと叩いた。
叩かれ、反射的に信長様を見る。
すると、信長様はとても優しい眼差しをして……
その大きな手で、私の頬に触れた。
「貴様を愛している、美依」
そして、言葉を紡ぎ出す。
今まで聞いた事もない、信長様の『心の声』を。