〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第10章 聖戦!HONEY*NOEL ❀信長END❀
「ぁあっ……」
「ほぅ、随分貴様は良い声で啼くのだな?」
「信長、様っ……!」
「どうだ、やるのか、やらぬのか」
だんだん信長様の唇が鎖骨から胸元に張っていく。
濡れた舌が肌をくすぐり、肌が敏感に粟立つ。
こんな風に抱かれてしまうのは、駄目だ……
そう思って、なんとか声を張り上げた。
「解りました、やればいいんでしょう!?」
すると、信長様は『よし』と言って身体を起こした。
そのまま立ち上がり、壁に掛けてある着物を取って、私にパサリと放る。
そして『寒いからそれを着て、こちらの部屋に来い』とだけ言うと、部屋を出ていってしまった。
「な…んなの、あれ……」
優しいんだか意地悪なんだか、強引なんだか。
でも、ゲームをして勝たないと、信長様の好きにされてしまう。
なんとしてでも、勝たないと……!
そう思い、立ち上がって着物を着る。
その黒い着物は、信長様の着ている着物なのか。
あの人の香りがする気がして、変にドキドキが止まらなかった。
────…………
信長様が脇息にもたれて座る目の前で。
私はガチガチに緊張しながら、正座をして、信長様の言葉を待った。
すると、信長様はにやりと笑い。
懐から何かを取り出すと、絨毯の上に置いた。
「それ……砂時計ですか?」
それは、現代でも使われるような、典型的な砂時計だった。
硝子で出来た本体の中に、さらさらと落ちる砂。
信長様は一体これで何をしようというのだろう。
「ほう、これが時を計る物だと知っているのだな。砂の落下で経過時間を計る」
「それを使うんですが?」
「そうだ、貴様にはある探し物をしてもらう」
「探し物?」
「そうだ。貴様への贈り物だ」
それを聞いて、思わず目を見開く。
私への贈り物って……?
思わず言葉が出ないでいると、信長様は砂時計をひっくり返し……
それを見ながら、愉快げに説明を始めた。
「今日はくりすます、なのだろう?だから、貴様に贈り物を用意した。天主のどこかに隠してあるそれを、この砂時計の砂が落ち切る前に探し出せ。見事探せたら、貴様の勝ちだ」