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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第97章 鈍色ラプソディ❀豊臣秀吉❀




「あっぁっあぁっ…だめぇ……!」

「んっ…美依、美依……っ」



そうして初めての蜜な一夜は過ぎていった。
激情に駆られた俺は、馬鹿みたいに欲情して美依を抱いて……
美依が意識を吹っ飛ばした時、抱き潰した現実に自己嫌悪に陥ったほどだ。

やっぱり、俺は黒。
美依がなんと言っても、それは変わらないのだろう。
でも……お前に触れられたことで、少しだけ灰色になれた気がすると。
そんな事を思いながら、俺も眠りについたのだった。










*****










(あーあ、体中真っ赤だな……)

夜明け頃。
浅い眠りから覚醒した俺は、まだ穏やかに寝息を立てる美依を観察しながら、ひとつため息をついた。
俺にひっついて、すやすや眠る美依。
その姿は、本当に可愛いのだけれど……
体中に残された赤い華達が、気になって気になって仕方ない。

もちろん、俺が昨夜付けたものだ。
美依の全身、くまなく愛した証拠だ。
だが、いかんせん数が多い。
みっともなく欲情し、その所有痕をこんな真っ赤になるほどたくさん残してしまった事実。
それは、自分が浅ましい獣なのだと、改めて自覚させられた。



「ごめんな、美依。優しい男じゃなくて」

「んー……」

「……起きたか?」



頭を優しく撫でていれば、美依が小さく唸って伏せられた長い睫毛を持ち上げた。
ふわふわと微睡んでいたけれど、やがて俺に焦点を結ぶと、少しびっくりしたように丸い目を見開いた。



「秀吉さん……」

「おはよう、体は辛くないか?」

「……夢じゃなかった」

「え?」

「秀吉さんに愛してもらえたこと」



ああそうか、美依は自分に魅力がないせいで、俺が抱かないと思っていたんだよなぁ。
実際には正反対の理由だけれど。
俺は美依の体をそっと引き寄せ、腕の中に閉じ込める。
そして、その小さな頭に口づけを落とし……
美依を安心させるように、耳元で優しく囁いた。




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