〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第97章 鈍色ラプソディ❀豊臣秀吉❀
「────夢じゃないよ」
夢にしてたまるか、やっと抱けたのに。
この温かい体を抱き締めてると、現実なのだと実感する。
ずっと躊躇って足踏みして……でも、ようやくひとつになれた。
こうして甘い朝を一緒に迎えられることも本当に幸せで、ずっとこうしていたいと思ってしまう。
(しかし、とんでもない勘違いだよな)
自分に魅力がないから、俺が『そういう対象』に見ていないとか、そんな訳があるか。
俺は欲しくて欲しくて堪らなかったと言うのに。
俺は美依の顔を覗き込む。
そして、言い聞かせるように美依に言った。
「お前は魅力的でいい女なんだから、あんまり自分を悪く言うなよ?」
「え?」
「子どもっぽいとか胸が小さいとか」
「でも、それは事実だし……」
すると、美依は若干しょんぼりとして言葉を返す。
本当に解ってないな、お前は。
全てひっくるめて、お前自身の魅力だと言うこと。
そんな事は、気にする必要もないってこと。
だが、それを俺が言った所で、なんの説得力もないのだろう。
惚れた欲目だとか言われかねない。
だったら……気にする"根本"をなんとかすればいいんじゃないか?
俺はおもむろに美依の胸に触れる。
優しく揉みしだくと、美依は顔を真っ赤にさせて、焦ったような声を上げた。
「ちょっ……秀吉さん?」
「こうして揉んだら大きくなるかもしれないぞ?」
「っ……」
「そうしたら、問題解決だな」
「だからって……ぁっ……」
美依は恥ずかしそうに目を潤ませ、途端に体を熱くさせた。
抱いた名残でまだホカホカとしている美依の肌が、瞬時に赤く染まる。
白く柔らかい双丘には口づけの痕がたくさん残っていて、とても色っぽいが……
(また痕、増えちまうな……悪い)
触れるだけで声を漏らす美依に、また煽られて理性が揺さぶられてしまった。
やわやわと揉みながら、尖り始めた胸先を舌で這う。
甘ったるい味がして、体の芯が再度熱を帯び……
『美依の胸を大きくする』という大義名分を振りかざし、結局は美依に触れたいだけなのだと、自分に呆れてしまった。