〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第96章 桔梗色の恋情と雪の華❀明智光秀❀
今宵、雪の華が煌めく
降り積もる恋心も、また
熱を帯び、紅に染まって弾ける
美依、お前と離れている間
俺がどれだけ想っていたと思う?
今日は離さない
決して離しはしない
お前と離れて寂しかったのは俺の方だ
────解らないなら教えてやる
どれほど…お前の事を愛しているか
「はぁっ…んぅ、んっ……」
冬の空気に溶ける、桃色の吐息が色っぽい。
部屋の中はすでに俺達の息遣いや、淫らな水音が響いていて……
それは、離れていた時間を埋めるように。
肌を重ね合わせる俺達を高ぶらせ、色濃く鮮やかな想いを纏っていく。
「美依……」
「光秀、さんっ……」
「相変わらず綺麗だな、お前は」
「…っぁあ………」
太ももを持ち上げ内側に強く口づけると、美依は甘い声を漏らして儚げに躰を震わせた。
そして白い肌に咲く、赤い華。
それは、俺のみっともない独占欲だ。
『傍にいたい』
『もっと一緒にいてくれ』
そんな意味がある耳飾りを贈るくらいだ。
俺がどれほどお前を繋ぎ止めたいか……
それが、解るだろう?
「ああ、鮮やかだな。お前の白い肌によく映える」
「光秀、さんっ…さっきから……」
「ん?」
「首筋とか、痕残しすぎですっ……」
美依が浅い息を吐きながら、控えめに批難してきたので、俺はくすっと笑い、美依に覆いかぶさった。
顔の横で手を付き、間近で見下ろして……
その蕩けた顔を覗き込みながら、意地悪に告げてやる。
「こうすれば、お前は寂しくならないだろう?」
「え……?」
「鏡を見る度、湯浴みをする度…その痕が目に入れば、俺に愛された時を思い出す筈だからな」
「……っ、それはそうですけどっ……」
「どうした、何か不満か?」
ゆるりと顎を指で掬い上げれば、美依は悔しそうに唇を噛む。
ああ、これは嫌がっていないな。
そう思えば……
さらに先に踏み込みたくなるのが、性分で。
「なるほど、足りないのか。なら、もっと思い出すように…痕を残してやろう」
そう言って俺は美依の唇を軽く啄み……
また躰中を唇で辿っていった。