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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第95章 花盗人と籠の白百合《後編》❀伊達政宗❀





「もう"泥棒"は潮時なんじゃないですか」

「家康……」

「俺があんたに協力すると言ったのは、信長様を裏切るためじゃない。あんたの志が、信長様の力になると思ったからだ。俺は泥棒"独眼竜"に協力した覚えはない、奥州伊達家の当主に力を貸しただけ」

「……」

「今こそ、信長様に正体と目的を晒す時でしょ、違いますか」




家康の言葉が、胸に突き刺さる。
家康の言葉はもっともだと思った。

泥棒としてではなく、信長の前に出るのは今かもしれない。

そして──……
美依のためにも。
美依を外に連れ出すのは…きっと今だ。




「家康、安土城に行く」

「政宗さん……」

「色々、責任取らないとな」




俺が不敵に笑って見せると、家康も小さく頷く。

待ってろ、美依。
今助けに行ってやるから。
そして今度こそ、本当の意味で……





────お前を広い世界に連れ出してやる















*****















「あ、信長、様……」

「美依……」




信長は今日も美依の元を訪れていた。
暗い部屋の中、そこに美依はぽつんと座り……

痛々しい目で信長を見上げ、小さく息を飲んだ。

その首には、頑丈な首輪。
その首輪から繋がる鎖は、ぎっちりと柱に結ばれ。
手首も両手合わせて束ねられ、身動き出来ない状態。

そんな美依に信長は近づき…
顎に手を当てると、やや強引に掬い上げた。




「どうだ、俺のものになる気になったか」

「……っ」

「貴様が振り向くまで待っているなど…そのような方法を取った俺が愚かだった。欲しいものは手に入れる、何がなんでも」

「んっ……」




そのまま信長は美依の唇を塞ぐ。
反論はさせないと、強引に絡め取って、唇を重ねたが……




「……っ」




途端に下唇に痛みが走り、信長は唇を離した。
気がつけば、その痛みが走った部分に血が滲み……

美依が噛み付いたのだと、一瞬にして理解した。

さすれば、嘲笑が漏れる。
このような反抗的な態度、今まで美依はした事なかったのに。

信長は美依の肩に手を当てると。
ぐいっとその身体を強引に畳に押し倒した。






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