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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第95章 花盗人と籠の白百合《後編》❀伊達政宗❀







────でも、逢いてぇ





『政宗』





離れて思い浮かぶのは……
可愛い笑顔や、柔らかで優しい声

火照った肌の温度、特有の甘い匂い

それらが、心の過敏な部分を刺激する
だめだと解っているのに
心の奥底から渇望が生まれ
それはじりじりと胸を焦がす

狂おしい程に……俺を支配して




全て投げ売ってでも──……
この腕に抱きたいと思ってしまう。






「政宗さん!」






その時だった。
部屋の襖が、勢いよく開かれ……
そこからよく見知った、淡い金髪頭が姿を現した。




「家康…どうした、その気難しい顔」

「政宗さん、全てあんたの責任ですよ。きちんと最後まで責任持ってください」

「……なんの事だ?」

「知らない、とは言わせませんよ」




身体を起こせば、家康は俺の横に座り込んで、胸ぐらを掴んできて。

コイツには珍しい、凄い剣幕で……
俺の瞳を見据えながら、低い声で俺に言った。








「あんたのせいで美依は……
今鎖に繋がれて、閉じ込められてるんですよ!」








(は……?)


家康の言葉に、一瞬耳を疑う。
閉じ込められてる?鎖に繋がれて?

美依は信長の寵愛を受けて、それは大事に大事にされているのではないのか?

俺は胸ぐらを掴む家康の手を離させると、眉をひそめて家康に問いかけた。




「詳しく説明しろ、家康」

「政宗さん、あんた…美依に手を出したんでしょ?その名残りを、信長様が発見したんですよ」

「あ……」

「そのせいで信長様は怒り狂って…美依に首輪を付けて、部屋に繋いだ。二度と他の男と接触させないと…俺すら面会は許されていない」

「……っ」




その説明に、ヒヤリと冷や汗が流れる。
確かに美依の身体に、愛した痕を残した記憶がある。

まさかそのせいで、こんな事になっているとは。

俺が絶句して、口元を手で覆うと……
家康は俺を睨みながら、それでも小さくため息をついた。

そして、まるで俺に言い聞かせるように。
家康なりの心の内を、ぽつぽつと話し出した。






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