第94章 花盗人と籠の白百合《中編》❀伊達政宗❀

「あっ………」




しゅるっ、ぱさっ……

古びた狭い部屋の中に、衣擦れの音が響く。
帯を緩めて、一枚着物を剥いで。

襦袢一枚の姿にさせてみれば、その細くも女らしい躰の線が浮き彫りになり、俺は眩しいものを見るように目を細めた。

そして、耳元で囁く。
美依だけに聞こえるように……
甘く切ない、声色で。




「やっぱり可愛いな、お前」

「……っ」

「怖いか……？」

「あ、当たり前だよ……」




襦袢の上から躰をなぞれば、美依は小さく肌を震わせた。

でも、熱いのが解る。
俺が触れるたびに…ふわりと熱が肌を纏う。

ちょっと前まで口づけすら知らなかった美依。

口づけるたびに真っ赤になって……
最初なんか頬にしただけで固まってたな。



(でも……お前が欲しい)



城下外れで取った宿は、それは古くて壁なんか薄くて……それこそ音なんて立てたら、色々知られてしまいそうだ。

それでも、欲しい気持ちは昂っているから。
美依はきっと未通女だと、それは解っているけれど……

甘く啼かせてみたい。
全身で感じさせてやりたい。
だから、俺を信じて手を取れ、美依。




「大丈夫だ、すぐに好くなる」

「よくって、どんな風に…？」

「頭がふわふわして、何も考えられなくなるぞ」

「それ、怖いよ……！」

「俺に身を任せてろ。絶対…気持ちいいから」




俺は美依の襦袢の襟を掴み、そっと前を開いた。

途端に零れてきた二つの膨らみは……
少し小ぶりで、でも柔らかそうで。
薄桃色をした先が、なんとも欲をそそる。

だが、美依は恥ずかしいのか、急いで手で前を隠し、真っ赤な瞳で俺を睨んでくる。




「やっ…恥ずかしいよ……！」

「すぐに慣れる、これからもっと恥ずかしい事をするからな」

「……っ」

「……よく見せろ、お前の可愛い躰」




美依の細い手を掴んで、抵抗する腕をやんわり開かせて。

再度姿を見せた丸い胸を、俺は手で包み込んだ。
やわやわと持ち上げるように、その胸を優しく揉みながら愛撫していく。

そして、人差し指でその先を弾くと。
美依はびくっと肌を震わせ、甘ったるい鼻に抜けるような声を漏らした。