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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第89章 菫色の指切り-貴方が教える×××-《前編》❀石田三成❀








「覚悟──……!!」












────私の読みは当たっていた


相手の弱点を突き、そこを狙って刀を繰り出す。
さすれば、男達は総崩れになり…

軽く悲鳴を上げると、一目散に逃げて行った。

相手の剣術の癖や隙を観察し…
最適で最小限の攻撃を仕掛ける。

たとえ、私が体力や腕力で相手に劣っていても。

それさえ出来れば、勝てる。
それが私の戦い方であるから。


貴女を、守ることだって出来る。












「お待たせいたしました、美依様」



私が鞘に刀を納めて美依様の方を向くと。
美依様は、ゆっくりと瞼を開いて私を見た。

そして、周りをきょろきょろと見渡す。
そんな姿を見て…
私は美依様の元に歩み寄ると、ふっと目元を緩めた。




「男達は追い払いましたよ」

「三成君、すごい……!」

「そんな事はないですよ、貴女をお守り出来て良かった」




すると、美依様もやっと安心したように微笑む。

ああ、可愛らしいな。
そう思ったら、自然と手が伸び…
美依様の頭を、優しく撫でていた。




「……っ、三成君」

「あ、すみません…つい」

「だ、大丈夫だけど……」

「なら、良かった」




手が頭を滑り、次第に指を髪に絡ませて梳く。
そうすれば、美依様は少し困ったように目元を赤らめ、軽く視線を伏せた。

細くさらりとした感触を指に感じて…
なんだか蜜に浸したような、甘い感情が心の中を支配し始める。



(ああ、貴女が私のものだったらいいのに)



柔らかな髪を梳きながら思う。

いつしか自覚した恋心。
それは美依様は知る由もなく…
私の心の中で、ずっと燻っていて。

こうして貴女を助ける役目も、守る役目も、私だけの特権ならいいのにな。

そんな風に考えずには居られない。
貴女と私が恋仲であったなら、とか。
そうしたら、あんな男達には指一本触れさせないのに。




「どうして、あの男達に絡まれてしまったのですか?」




私は名残惜しくも毛先から指を離すと、疑問に思った事を美依様に問いかけた。

すると、美依様はまた視線を私に戻し…
少し眉を寄せ、納得いかないといったような口調で説明し始めた。







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