〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第88章 Dear…《後編》❀豊臣秀吉❀
「そんなの当たり前だろ、お前にどれだけ惚れてると思ってるんだ」
「そっか…ありがとう」
「お前は…いつまでも可愛い俺の女だよ」
「んっ……」
片手で腰を引き寄せ、もう片手で美依の顎を掬い、その薄桃の唇にそっと口づける。
何回か啄んで、次第に深くしていくと…
美依は俺にしがみつき、その口づけに応えた。
ああ、こんな事をするのも久しぶりだな。
よく今まで、俺は我慢出来たと思う。
こうして次第に蕩けだす美依を見れば…
止まれなくなるって解ってるから、その手前で抑えが効いていたのかもしれない。
(でも、もう遅いけどな)
────トサッ
そのまま力をかけて美依を押し倒せば、美依はびっくりしたような潤んだ瞳で見上げてくる。
妙に煽られてる気がして…
俺は指の背で美依の頬を撫でながら、苦笑混じりに言った。
「そういや、具合悪かったんだよな、お前」
「秀吉さん……」
「珠々も隣で寝てるし…やめとく?」
「……っ」
「俺は抱きたいけど」
反対に美依を煽るようにして返事を待つ。
酷い男だな、俺は。
こんな顔をしている時の美依が…
なんて答えるかなんて、はなから解っているのに。
すると、美依は一回きゅっと唇を噛み…
小さな消え入りそうな声で、ぽつりと言葉を紡いだ。
「具合悪いのは、大丈夫…声、なるべく我慢するから…秀吉さんに、愛されたい、な……」
(ああ…本当に、堪らないな)
「ん、解った」
小さく頷き、ゆっくり寝間着を取り払っていく。
姿を現した白磁の肌に、湧き立つ興奮を覚えた。
まだこんなにも欲情する。
それは、愛してるお前だから。
珠々には決して抱けない感情だから。
俺は高ぶる感情のまま、久しぶりに訪れた蜜な時間に、心も身体も溺れていった。
夏の暑さもそれを手伝って…
火照る二つの身体はますます熱を上げ、その桃色の空気に飲まれていったのだった。
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