〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第86章 純愛イノセンス《後編》❀徳川家康❀
────ねぇ、美依?
小さくなったあんたは可愛かったよ。
幼くて、純粋で、無垢で、
何色にも染まってないって、そう思った。
でも──……
今のあんたの方が、俺には可愛く見える。
俺に火照らされて真っ赤になって、
色づくあんたは、何倍も可愛い。
だから、もっと愛させて。
全身で、想いを伝えたいんだ。
「んっぁっあっ…ぁあっ……!」
脚を割り、入れ込んだ腰を打ち付ける。
泥濘を貫いて、きつく窄まる場所を掻き分けて。
交わる水音は淫らに部屋に響き、喘ぎ声と混じって空気に溶けて…
濃い桃色が充満した部屋は、二人の息遣いが漏れ、重なり合う月影を障子に映している。
「家康っ…も、だめぇ……!」
「だめじゃない。もっと…乱れてみせて」
「ぁっあっ…そ、んなに、したらぁ……!」
「イイの?すごい中締まってる…可愛いね」
少し離れていただけなのに。
正確には、ずっと傍にあんたは居たのに。
俺は駄目みたいだ。
やっぱりあんたじゃないと欲情しない。
これほどまでに欲しいと願う。
繋がり合って、熱を注いで。
俺達が運命で結ばれていると言うならば…
煌めく星に、もう一度願いたい。
『俺が美依の最後の男でありたい』
「美依……」
繋がったまま覆いかぶさって、美依の顔を覗き込んだら、色っぽく吐息を吐きながら、目を潤ませて俺を見てきた。
……可愛い、本当に可愛い。
高ぶる気持ちって際限ないのだと思う。
そして、渇いていく。
もっともっとと馬鹿みたいに先を望む。
「家康……」
「ん……?」
「なんか、今日家康…いつもと違う」
「どこが?」
「……いつもより愛してくれてる」
(……そんなの当たり前でしょ、だって)
俺は『幸せの先』を見てるから。
あんたを愛する事で、それが見られるなら…
俺は限界なくあんたを愛すよ。
「美依…子供、作ろ」
敢えて耳元で囁いたら、途端に耳の先まで赤くなった。
まだ照れるの、あんたは。
やっぱり可愛いね、純粋さは忘れていない。
俺の色に染まっているけれど…
────あの美依のまま
あんたは育ってここにいるんだね