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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第85章 純愛イノセンス《中編》❀徳川家康❀





「よぉ、家康。スイカ持ってきたぞ」

「政宗さん…やっぱりあんたですか」




手には大きなスイカを持って。
相変わらずの不敵な笑み、一体何を考えているのだろう。

だが、そのスイカを見た美依は目をきらっきらさせて…まるで猫のように政宗さんにじゃれついた。




「まーくん、すごい!スイカ!」

「だろ?冷えてるから美味いぞ。お前良い顔するな、気に入った」

「……っ、政宗さん!」




何やら青い瞳が獰猛に輝いた気がして…
俺は急いで政宗さんを促し、縁側でスイカを切り分けた。

そのまま切ったスイカを三人で頬張る。
政宗さんと俺の間に幼い美依を座らせ、三人で縁側に座って、そのみずみずしいスイカを味わった。

それにしても…
政宗さんは美依の事を聞きつけてやってきたのだろうか?

まだ信長様にしか話していないはずだが、どこから情報を仕入れてきたのだろう。

まったく、伊達政宗と言う男は侮れない。
……はなから知ってたけど。




「政宗さん、この子が美依だって気づいてますよね」

「まぁな、今朝お前の家臣達が大騒ぎしてたって、情報を仕入れてな。なんかおもしれぇ事でもあるのかと思ったら…まさかの美依幼児化」

「政宗さん…早耳すぎますよ」

「しかも俺達のことも解らない…こんなおもしれぇ事はないな、いい機会だしな」

「……いい機会?」




俺がオウム返しに尋ねると、政宗さんは唇についたスイカの露を舌で舐め取り…
何やら妖艶な笑みを浮かべ、隣にいる美依の顔を覗き込んだ。




「男を知らない娘に、それを覚えさせる絶好の機会だろ?」

「まーくん?」

「美依、初恋はまだか?」

「えっ…ま、まだだよっ!」

「ちょっ…政宗さんっ!」




俺は急いで美依の肩を掴み、政宗さんから引き剥がす。

幼い美依は真っ赤な顔になっていて…
一応俺の妻であるのに、この反応は少し面白くなかった。

下手したら恋も知らないこの子は、政宗さんに惚れてしまう。

それはどうしても避けたい。
考えるより先に行動に出る政宗さんのことだ、美依が陥落するのも時間の問題のような気がするし。





(政宗さんの側に居させるのは危険すぎる!)









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