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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第83章 琥珀に滲んだ秘密の想い《後編》❀明智光秀❀







「……心中、お察し致します。お母上から見れば、どこぞの馬の骨が大事な娘さんをたぶらかしたのではないかと、そう思っていると思います」






その声は凛としていて、なおかつ穏やかで。
地面に正座をするなんて、とんでもない事をしているのに、光秀さんの表情は何故か優しい。

そんな光秀さんを、お母さんも呆気に取られて見ていた。

その状態で、光秀さんは言う。
お母さんを見つめ…キッパリと。




「美依さんを見ていれば解ります。どれほどお母上が大切に育ててきたか。素直で芯が強くて、優しくて…そんな美依さんをこうして奪ってしまう、私は馬鹿な男です」

「……」

「しかし…誰よりも美依さんを愛しております。みっともないほど、惚れております。だからこそ、誰よりも幸せにする自信がある。それは美依さんの人生、未来…全て丸ごと請け負う責任と覚悟があるからです」






光秀さんの紡ぐ言葉は…
力強く、不思議な力があって。

それをお母さんも感じたのか。

光秀さんを見つめながら…
憮然と、でも食い入るように聞き入っている。


────その、覚悟溢れる言ノ葉を










「必ず、娘さんを幸せにします。泣く暇など無いくらい、残りの人生を幸福で満たします。何者からも…必ず守ってみせます。どうか、私達の婚姻を許してはいただけないでしょうか。決して、その手を離したりはしない。美依さんの存在は、私にとって光です。その輝きを失わないように…一生かけて見守っていきます。どうか、お願いします」










(光秀さん……!)


光秀さんは、そのまま頭を下げた。
地面に額がついてるんじゃないかと思うほど、深く。

ああ、この人は、どうしてこんなに──……

目の前が滲む。
その愛の大きさに、満たされる思いがする。




「頭を、上げてください、どうか……」




すると、お母さんが光秀さんの前にしゃがみ込んで、肩に手を当てた。

よく見れば、お母さんも泣きそうになっていて。
光秀さんがゆっくり顔を上げると、お母さんはふっと口元を緩めて光秀さんに問う。








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