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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第83章 琥珀に滲んだ秘密の想い《後編》❀明智光秀❀




「平和に収まったのだな、乱世は」

「え?」

「ほら…ここを読んでみろ」




光秀さんが私に本を差し出し、ある一文を指でなぞる。
そこには…


『家臣である豊臣秀吉や明智光秀、石田三成らの活躍もあり、織田信長は天下統一を果たし、乱世は終わりを迎えることになる。天下統一した後、海外からの知識も取り入れ、当時の日本は益々栄えていった』


そう、記されてあった。

それを読んで、私は目を開く。
私が信長様を本能寺で救ったから…
信長様が天下を取ると言う歴史に変わったのだと。

明智光秀は謀反人ではなくなった。
そう思い、安堵のため息が漏れた。




「ため息などついて、どうした」

「いえ、なんでもないです…」

「それに、俺達は無事に向こうに帰れると言う証明にもなったな。そうでなければ、俺の名前がここにあるわけがない」

「……!そうですよね!」

「良かったな、それに…ここも読んでみろ」




そう言って、光秀さんは補足欄にある『乱世の人物紹介』の部分を指でなぞった。

そこには『明智光秀』も紹介されていて。


『織田信長の腹心。安土一の鉄砲の使い手で、信長の天下統一を支えた。また、妻の名前は美依。この時代では珍しく側室を娶らなかった事から、愛妻家としても有名』


その文を読んで、私はまた驚いた。
私の名前も出ている事にもびっくりしたし、何より。

光秀さんが愛妻家だと。
そんな風に記されていた事にも。

すると、光秀さんはくくくっと笑い…
本を元に戻して、私の顔を覗き込んだ。




「俺は愛妻家なのだと。良かったな、美依」

「なっ…そ、それは……」

「俺はこんなにもお前に意地悪なのに」

「……っ」




光秀さんはそう言うと、本棚に手を付き、私を自分と本棚の間に閉じ込める。

私が囲われた腕の中から、光秀さんを見上げると…
光秀さんの瞳が、若干熱を帯びて光ったのが解った。




「光、秀、さっ…」

「しー…いい子なら少し黙っていろ」

「えっ……」

「このように静かな場所だと、声を上げれば変に思われるぞ」

「んっ……」




そのまま、静かに唇を塞がれる。
こんな場所で口づけるなんて…

そうは思ったけど、絡んでくる舌先の温もりと優しさに、思考はすっかり溶かされてしまった。






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