• テキストサイズ

〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第82章 琥珀に滲んだ秘密の想い《前編》❀明智光秀❀





「望み、叶えてあげましょう…か」

「え?」

「あ、いや…思うのだが、例えばこのたいむすりっぷとやらが、お前を現代に引き戻すためだったとしたら、誤算が起きた事にならないか」

「どーゆー意味ですか?」

「お前だけでなく、俺までこちらへ来てしまっただろう?つまり……」




光秀さんはゆっくり私の方を振り向き…
写真立てを持つ手とは逆の手で、私の頭をぽんと撫でた。




「今度は俺を向こうの世に戻すために、またたいむすりっぷが起こるのではないか?」

「……っそっか!確かに!」

「今回も突然の出来事だったからな、また案外いきなり戻されるかもしれないぞ」




(光秀さん、頭良い……!)


なんでこんな事になったんだろう…って思ってたけど。

確かに光秀さんが言う通り。
私を現代に引き戻すためだったとしたら…
光秀さんまでこちらに来てしまったのは、大きな誤算だったと思う。

光秀さんはあの時代に必要な人だから。
だったら、今度は光秀さんを戻すために、またワームホールが開くかもしれない。

その機会を逃さなければ、また帰れる。
あの世界に。


────光秀さんと祝言を挙げることが出来る




「私達、また向こうの世界に帰れるって事ですよね!」

「確証はないが…このままではないだろう。そのたいむすりっぷを起こしているのが神だとしても、俺を放っておくとは思えんしな」

「光秀さん、さすがです……!」

「物事を冷静に見る頭はある、何より……」




光秀さんは頭の手を滑らせ、今度は頬に触れた。

そして──……
片手で私の頬を包み込み、優しく笑う。






「お前を、向こうの世で嫁にせねばならないからな」






(光秀さん……)


その温かい琥珀色の眼差しを見るだけで…
何故か心が、ほっと安らいだ気持ちになった。

光秀さんと初めて会った時は、こんなに私を掻き乱して不安にさせる人はいないって思ったものだけど…

今は、こんなに安心出来る。
この人の傍に居るだけで…
安心して、全てを委ねる事が出来る。

そんな人に出逢えた事。
私は本当に嬉しくて堪らない。
そして、愛し合えるなんて──……



こんな奇跡は、もう起こらないって。
そんな風に思っていたのにな。







/ 1230ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp