〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第8章 聖戦!HONEY*NOEL ❀全武将VS❀
────瞬間
武将達の瞳が見開かれ、全員が生唾を飲んだのが解った。
「美依自身が景品…」
「はい、美依さんが景品です」
「つまり、それは…」
「美依さんとあんな事やこんな事を出来ると言う意味です」
それを聞いた瞬間、政宗が『よっしゃあ!』と言って、がばっと立ち上がった。
「つまりはあの柔肌を奪っていい訳だな?美依と色々いい事をしていい訳だな?絶対負けねぇ!」
「やめろ政宗、いやらしい言い方をするな!それに、お前に美依をやれるか!」
「秀吉、ならお前が勝てば良いだけの話だ。まぁ俺が勝った暁には、存分にいじめて甘やかしてやろう」
「美依様はどんな可愛らしい声で啼くのでしょうか…楽しみです」
「お前が一番えげつないな、三成。そーゆー事なら、負けられないけど」
「貴様ら、美依は俺の所有物だ。そもそも主に逆らうな、自ら負けろ」
「わー皆様、聖夜に煩悩まみれですね」
佐助がさくっと言っても、武将達は聞いていない。
それぞれ掴み合って、すったもんだが始まってしまった。
景品は美依自身。
だったら、絶対負けられない。
雪降る安土城、今日はクリスマス・イヴ。
聖なる夜に、武将達の絶対負けられない戦いの火蓋が、切って落とされたのだった───………
────…………
「メリークリスマス!!」
その夜。
安土城広間では、美依と佐助主催の『くりすますぱーてぃ』が、それは賑やかに行われた。
美依の作った手料理、佐助が飾った松のツリー。
勝手に松の木を切ったのは、とりあえず置いておいて。
美味しい地酒も並び、心も腹の中も満足していく。
「結局、その角と赤い鼻はなんなんだ、佐助」
「これはトナカイです、光秀さん」
「となかい…ああ、鹿の仲間ですね!鼻が赤いのは何故なんですか?」
「トナカイは鼻が赤いものなんです、三成さん」
「鼻が赤い鹿なんて聞いたことない、馬鹿じゃないの」
「佐助も気になるが…俺としてはアッチの方が気になるな、色々と」
政宗が怪しく笑い、明後日に視線を向ける。
そこには信長に酌をする美依の姿があった。