〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第8章 聖戦!HONEY*NOEL ❀全武将VS❀
信長に酌をする美依は、相変わらず花のように可愛らしく、いつもと変わらぬと思いきや。
徹底的に違う所が一つある。
美依は赤い着物を着ているのだが、普通の着物ではなく南蛮風で、何やら白い『もふもふ』が付いていて。
それに、なんと言っても……
(すごい、裾が短い着物だな、堪らん……!)
美依の脚が丸出しなのが、気に掛かる。
やたら裾が短くて、ぺらっとめくったら色々見えてしまう気がする、色々と。
すると、美依に視線が行きっぱなしの武将を見て、佐助がこくりと酒を飲みながら説明した。
「あれはサンタクロースのコスプレです」
「さんたくろーすのこすぷれとは?」
「クリスマスはサンタクロースなる人が、子供達に贈り物を配って回るんです、光秀さん。ちなみにトナカイが引くソリに乗っています」
「何でもいいが、あれは出過ぎだ、風邪をひいたらどうする!俺の美依の脚が……」
「秀吉、お前が一番煩悩まみれだな。俺が一番乗りでいただきだ!」
「あっ、政宗!」
酒の飲めない政宗。
代わりの甘酒をぐいっと飲みほすと、信長と美依の所に近づいた。
そして美依を後ろから腕の中に囲い、さり気なーく脚に触れながら顔を覗き込む。
「美依、びんごはまだやらないのか?」
「政宗、そうだね!そろそろやりましょうか、信長様」
「やっと今日の宴の本題に入るわけだな、楽しみだ。絶対に一位になる、びんごでも天下を取らねばな」
「信長、頑張ってくださいねー!」
ほろ酔い状態の美依が、政宗の腕をさらりと交わし、くすくす笑って『びんご』準備にかかる。
改めて武将達に、ビンゴに使う数字の書かれた紙を渡し、景品の襟巻や手袋や撒菱なんかを、それぞれ上座に置いていく。
撒菱はともかく、美依の用意した景品は、見るだけで暖かそうで作りも丁寧で……
このパーティを楽しみに、丹精込めて作ったんたなと言うのが、良く解った。
「美依様、楽しそうですね」
「皆で騒げるのが嬉しいのだろう、まったく愛らしい奴だ」
皆で、その後ろ姿を見守る。
各々に愛しい気持ちが心に生まれ…
改めて遊戯の勝利へ、思いを馳せた。