〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第8章 聖戦!HONEY*NOEL ❀全武将VS❀
「みんなでビンゴ大会をやります!なんと私と佐助君で用意した、景品付き!」
「ビンゴ……ってなんだ?」
「これは実物見て説明した方が早いですね」
そう言って、佐助が武将達に紙を配り始める。
そこには、縦と横にマス目が五マスずつ、計二十五マス書いてあり。
マス目一つずつには、数字が割り振ってある。
一体これを何に使うのか……と疑問に思っていると美依がニコニコと説明しだした。
「くじを引いて、出た数字にバツを付けていくの。一列に早くバツが揃った人が勝ちだよ!」
「成程、それで順位を決めるのか」
「政宗、その通り!順位ごとに、それぞれ景品を用意しました〜!」
美依が『景品一覧』と書かれた、新たな紙を武将達に見せる。
すると、武将達は食い入るように一覧を見つめ……
各々に思う事を口に出した。
「二位が美依手製の襟巻と撒菱(まきびし)…三位が美依手製の手袋と撒菱…」
「わぁ……美依様お手製の物が貰えるんですね、素晴らしいです!」
「……なんで全部に撒菱が付くんだよ、佐助」
「家康さん、愛です、愛」
「やれやれ、とんだ茶番だな」
「光秀、そう言う割には顔が嬉しそうだな。一位は美依と一日逢瀬権利券か、それは良いな」
信長が一位の景品に食いついた途端。
佐助の目が、美依に解らないように、きらーんと光った。
「美依さん、そう言えばパーティの料理の事で話したいって、女中さんが君の事探してたよ」
「え、本当に!?ちょっと行ってくるね、佐助君あとは任せたよ」
佐助に言われ、美依はふわりと立ち上がり。
軽い足音で、ぱたぱたと広間を出ていった。
それを見計らい、佐助はくいっと眼鏡を直すと……
武将達に顔を近付けるように手招きをし、ひそひそと話をし始めた。
「実はですね…一位の景品なんですが、なんと裏景品が存在するんです。美依さんには内緒ですが」
「裏景品?」
「はい、一位の本当の景品は……」
佐助は武将達を舐めるように見渡し、そして。
いつもの無表情でぼそっと『真の景品』を口にした。
「美依さん自身です」