〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第81章 貴方と添い寝のその先に《後編》❀伊達政宗❀
「ぁあっ…まさむねぇ………っっ!!」
『今夜は朝まで、じっくり可愛がってやるから…覚悟しろ』
その言葉通り。
私達の甘美な時間は、空が白むまで続いた。
政宗は私を時に焦らし、ねだらせ、そんな風に振り回しながらも…
これでもかと言うほど愛してくれた。
それは政宗らしい、強引な愛し方。
それも好きだと思えるのだから、私はよっぽど政宗の虜になっているらしい。
────政宗もそうだったらいいのにな
二度目の眠りにつく直前。
政宗は私に何かを囁いたのだけど…
それは眠りに落ちてしまい、しっかり確認出来なかった。
そう言えば最近愛してるって言われてないかも。
そんな事を思いながら、私は政宗の腕の中で、短い眠りについた。
温かな温もりが心も躰も満たし…
私が眠る瞬間まで見つめていてくれた蒼い瞳が、なんだかとても嬉しかった。
愛してるよ、政宗。
本当に、大好きだよ──……
*****
「くすっ…あどけない寝顔だな」
美依が腕の中で眠ってしまい。
俺はその細い髪を優しく梳きながら、愛おしんで目を細めた。
こうして美依が眠っていなければ…
最近はこの言葉すら、口に出せない。
「────愛してる」
起きている時にこれを言うと、美依は最大限に可愛らしくなる。
それを見ると、くらくらするから…
最近は起きている時に言えなくなった。
美依が可愛すぎるせいだ。
そんな風に思わなきゃ、本当に参ってしまう。
一人の女にここまで溺れて。
余裕が無くなるのが嫌で、つい意地悪が口をついで出る。
だって余裕がないなんて、格好悪いだろ?
いつでも美依の前では格好良く居たい。
俺は自分の中の情けない部分には蓋をし、いつもえげつない感情と戦ってる。
いくら愛しても足りない。
満たされた分だけ渇くなんて…
「本当にお前は大した女だ、美依」
俺を狂わせる元凶は、こうしてあどけない顔をして、裸の胸にすがりつきながらすやすや眠る。
俺に睡魔は来ないな。
そう苦笑しながらも…
俺はゆっくりと目を閉じた。