〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第79章 鴇色の君に酔わされて❀豊臣秀吉❀
────ああ、そうだったんだね
「……っ美依?」
私が思わず秀吉さんに抱きつくと、秀吉さんはそれを受け止めながら、少し驚いたような声を上げた。
秀吉さんはどこまでも秀吉さんだ。
格好つけたがりとか、臆病とか。
そんなのは秀吉さんが勝手に思ってるだけで。
この人は…こんなにも優しくて
大きな愛で私を包んでくれている。
「秀吉さん……ね」
「え?」
「秀吉さんはカッコイイね」
「今の話は、俺が格好悪いって話だぞ?」
「ううん、カッコイイよ、最高に」
私は秀吉さんの胸から顔を上げ、思いっきり背伸びをして…
ちゅっと。
その唇を軽く啄んだ。
途端に秀吉さんの瞳が見開かれる。
そして赤い顔が…さらに赤く染まった。
「私、秀吉さんのそーゆー所、大好きだよ。秀吉さんが格好悪いって思ってても、私にとっては全部大好きな秀吉さんだよ」
「美依……」
「だから…もっと壊すくらいに愛して」
「えっ……」
「綺麗じゃなくても、優しくなくてもいい。私…もっと秀吉さんに愛されたいよ」
これは、私の『本音』。
酔っ払ってでもなんでも、本音を言ってくれた秀吉さんに。
私も真っ直ぐに向き合いたい。
そう…だいすきな人だから。
────貴方には赤裸々な私でいたいんだ
「美依っ……」
すると、秀吉さんはぎゅうっと私を苦しいくらいに抱き締めた。
こんな乱暴に抱き締められた事ない。
いつもいつも、我慢してたんだね。
私を…大切にしてくれていたんだね。
そして、そのまま唇が触れ合う。
まるで貪るように絡められた舌は…
甘くてほろ苦い、お酒の味がした。
ねぇ、秀吉さん。
どうして貴方はそんなに愛しいの?
私の大切な恋仲の男の人は……
お酒に弱くて、たまに無鉄砲。
でも、誰より私を愛してくれる。
そんな、大きな心を持った
少し可愛くて、最高にカッコイイ
貴方しか見えなくなるくらいに──……