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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第79章 鴇色の君に酔わされて❀豊臣秀吉❀





(秀吉さん、嫉妬したの……?)




あまりそーゆーのを表に出さない秀吉さん。
でも、さっきはあからさまに怒った声を上げた。

そして不機嫌そうな今の表情も…
額に口づけられた事に…妬いたの?

お酒で火照った大きな身体を支えながら、そんな事を思って、少し頬が緩む。

今の秀吉さんなら、なんでも聞けるかもしれないな。

御殿への道を二人で歩きながら──……
私は小さく決心を固め、その赤い顔を見上げたのだった。















*****















「悪いな、美依。肩を借りちまって…」

「いいんだよ、このくらい。大丈夫?」

「ああ…ったくお前には格好悪い姿見せたくなかったのに……」




冴え冴えと月と星が輝く中、秀吉さんと一緒にゆっくり歩きながら御殿に向かう。

外の空気はキンとしていて冷たい。
まぁ、今は夜中だから当たり前なのだけど…

でも、その空気が秀吉さんの酔いを冷ましたのか、秀吉さんは割としっかりした足取りで歩いていて。

まだまだ顔は赤くふわふわしているけれど、そこまで具合悪くはなさそうだ。




(秀吉さん、今なら答えてくれるかな?)




政宗と話した事が頭でぐるぐる回る。
いつも本音を上手く隠す秀吉さん。
私の前では、いつも大人で格好良くて、余裕たっぷりな秀吉さん。

そんな秀吉さんが、こうして酔った姿はとても珍しくて、それが格好悪いと言うけれど…






────私はそんな秀吉さんの姿を
もっともっと知りたいって…思うんだ






「……ねぇ、秀吉さん」

「美依、ごめん」

「え?」

「美依、俺は……」




私が意を決して聞こうと口を開くと、秀吉さんは立ち止まり、何か言いたげに私を見つめてきた。

そう言えば、さっき広間でも何か言いたそうだったなと思い出す。

私も足を止めて、秀吉さんを見つめると…
秀吉さんは熱っぽい瞳で私を見下ろし、肩にあった腕を滑らせて、腰をぎゅっと引き寄せる。

着物越しからも、秀吉さんの熱い体温を感じ、私は少し緊張しながら秀吉さんの次の言葉を待った。






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