〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第79章 鴇色の君に酔わされて❀豊臣秀吉❀
「さっき、俺と光秀と秀吉で話してた時、秀吉からそんな話がぽろっと漏れて…」
「う、うん」
「それに光秀がつけ込んで、男らしくないだの、俺の方が美依ともっと上手くやれるだの秀吉を煽って」
「え……」
「だったらどっちが美依に相応しいかみたいな話になって…いつの間にか、今夜美依との一夜を賭けた飲み比べに発展したんだ」
「はぁーーー?!」
(な、なにそれ……)
つまり、秀吉さんは光秀さんに、いつものように上手く乗せられてしまったと言うこと?
しかも、一夜を賭けたって…
つまりは飲み比べの勝者と、一晩共に過ごすという意味にはならないだろうか。
「光秀さん、本気じゃないよね?!」
「光秀は秀吉を煽ってるだけだ、本当にお前と一夜を過ごそうなんて思ってないぞ」
「でも、飲み比べじゃ絶対秀吉さんのが不利じゃない!」
「お前、秀吉の本音をもっと聞きたくないか?」
「え……?」
「秀吉は酔うと本音を漏らすだろ?」
すると、政宗は私の頭を優しく撫で…
その青い瞳を細めて、少し意地悪く微笑んだ。
「あの堅物野郎が何を考えてるのか、本音を暴露させようってのが光秀の狙いなんだ。こうでもしないと、秀吉の本音なんて聞けないだろ?なんでお前を抱かないのか…理由が聞けるかもしれねぇぞ」
(政宗……)
そう言われ、私は改めて秀吉さんを見た。
確かに秀吉さんは、自分の本音を隠す所がある。
いつも私優先で、自分は二の次で…
そんな秀吉さんが、本当は何を考えているのか。
(私を大切してくれてるから、以外に理由があるの?)
もしかしたら、私の知らない秀吉さんが居るのではないかと…
そう思ったら、一気にどきどきと心臓が高鳴り始めた。
「で、でも秀吉さんが心配だよ!」
「なら、側についててやれ。潰れそうになったら、介抱してやればいいだろ?」
「解った、そうする」
私は政宗の隣から立ち上がり、そのままお酒を煽る秀吉さんの横にちょこんと座り込んだ。
すると、秀吉さんは私にすぐさま気が付き。
ほのかに赤くなった顔でにっこりと微笑むと、私の頭を優しく撫でてきた。