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〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀

第79章 鴇色の君に酔わされて❀豊臣秀吉❀






「いざ、尋常に勝負──……!」




そして…
掛け声と共に飲み比べが始まり、二人は一気にお酒を煽り始めた。

私は気が気じゃなくて、そわそわしながら二人を見守る。



(大丈夫かな、秀吉さん……)



光秀さんと対峙する秀吉さんは、いつもの様子と違っていた。

普段ならこんな勝負に乗る人じゃない。
一体何が、秀吉さんをそうさせたのだろう?

私は心中、穏やかではなくて…
不安の眼差しで、愛しい恋仲の男の人を見つめたのだった。















*****















「さすが光秀、顔色が変わらんな」

「秀吉様も頑張ってください!」

「大丈夫なの、この速さで飲み進めて…」




秀吉さんと光秀さんを囲み、信長様や三成君、家康まで口々に言い合う。

私は政宗の隣に座り、そんなみんなの様子を見ながら、もう不安で仕方なくて。
秀吉さんが盃のお酒を煽るたび、小さくため息を漏らした。




「大丈夫かな、秀吉さん」

「お前、その言葉何回目だ?」

「だって心配なんだもん!何で飲み比べなんて話になったの?政宗は知ってるんでしょう?」




隣で胡座を搔く政宗に、私は気になって問いかけた。

すると、政宗は意味深にニヤリと笑って…
私の顔を覗き込んで、逆に問いかけてきた。




「お前…秀吉と恋仲になって、まだ身体重ねてないんだって?」

「は、はぁーーー?!な、なっ……!!」

「どうなんだよ、美依」

「い、今それ関係ないでしょ?!」




私は思わず声を荒げ、政宗を睨みながら答えた。

秀吉さんとは恋仲になって随分経つけど…
確かに私達は、まだ身体の関係を持っていなかった。

それは秀吉さんが私を大切にしてくれているから、手を出してこないのだと解っていたし。

だから今は少し寂しくても…
時が来れば、きっと秀吉さんは私を愛してくれるだろうと、その時を待とうと、私はそう思っていた。




「なんだ、やっぱりそうなのか」

「な、なんで政宗がそれをっ…そ、それに、質問の答えになってない!」

「まぁ落ち着けって。それが今回の勝負に関係してんだ」

「え……?」




私が思わず目を見開くと。
政宗は変わらずのニヤニヤ笑いのまま、胡座に頬杖をついて話し始めた。






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