第2章 ◆入団希望!LOVEゆえに◆
「キョンちゃん。私は理由がわかった気がするよ」
「え。いきなり、どうしたんだよ」
「うん。つまりね、私が涼宮さんから睨まれていたのは、ごくごく普通の人間らしい感情からだったんだ。多分だけど」
「ふーん…って、待て。そんな言葉だけで、俺に何をどう理解しろと言うんだ」
「うーん。はたして言ってもいいものかね、キョンちゃんに」
「おい。そもそも俺に聞いてきたのはお前だろうが、何でその『涼宮がごくごく普通の人間らしい感情ゆえにお前を睨む理由』とやらを俺が知ってはいけないんだ?」
「キョンちゃん、プライバシーの侵害って知ってるよね」
「ああ。って、そんなに個人的な理由なのか」
「うん。すっごく個人的な理由で、他人が勝手に言いふらしてよいものではないこと」
「そうか」
「そう」
本当は、別に言ってもかまわないんじゃないかな〜とも思う。
涼宮ハルヒが私を睨む理由。短く言えば、たんなる嫉妬。いわゆるヤキモチ、だ。
あくまで私の勝手な予想だけど。きっと、涼宮さんはキョンちゃんのことを特別に意識している。とってもわかりにくいけど。きっとそうだ。
だから。最近キョンちゃんと、それなりに親しくしている私のことが気に入らない。目障りで仕方ないんだろう。
「…でもなぁ」
「なんだよ?」