第1章 ◇ワッチュアネイム?◇
「うーん……実はね、異世界人なんだよ私」
「だから、どうしてそんなことを」
「だから、異世界人なんだってば」
「いやだからな」
「異世界人なの」
「………」
「………」
いきなり異世界人だなんて言ったところで、普通は信じない。私だって信じない。
けれどでもだけど、私は彼に信じてもらいたい。そして否定ではなく、肯定されたい。もっと仲良くなりたい。
だって。
彼のことを少しずつ知っていくうちに、見ていくうちに、接していくうちに思ったんだ。
あー、ヤバイな。って。
好きかもしれない。って。
まだ引き返せる程度の想い。
仕事や生活に影響したら嫌だから、年齢的に恋愛にのめり込む気力もないからって、いつもなら、すぐになかったことにしていた気持ち。
でも今の私はまだ若い。まだ高校生。
せっかく巡ってきた二度目の青春。恋愛しなくてどうするよ!
「それは………本当、なのか?」
「うん。まぎれもない、事実。嘘偽りのない、真」
「そう、か…」