第16章 ハピファミ!16
「……るせェな、近所迷惑……お、イイ眺め」
「っ、わたる!頼むから何か着ろ!」
「おや、これは失礼しました」
同じく目を覚まし、ほぼ全裸のワタシを見てニヤニヤ笑いを浮かべるうづさんの顔をひとまずベッドに沈め。
耳まで赤く染めて焦る岡内くんに申し訳ないと謝りながらも、純情なところは健在らしい彼に妙な嬉しさを感じつつ。
脱ぎ捨ててあった衣服を拾い上げると、その場で素早く身に着けていった。
――その後。
すぐに復活したうづさんが、岡内くんに力技混じりの説教をくらっているのを笑顔で傍観、さらに放置したまま。
愛する妹へのお土産を手に、遅くなった言い訳を真剣に考えながら家路を急ぐワタシの頭の中は、すでにまゆらちゃんのことでイッパイで。
先ほどまでの出来事も、うづさんのことも、全く気にしてなどいなかった。
気にする必要などない事だと……そう思っていた。
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