第11章 ハピファミ!11
「岡内くん…………あの爽やかさはドコへ消えてしまったんですか?」
「うるさい、わたる。お前こそ、どうもイイ性格になったみたいだな」
「……とにかく、また会えて嬉しいですよ」
「……ああ、そうだな」
フッと笑った顔もやっぱり昔の面影はいまいち見当たらなくて、大人になったんだなぁと実感した。
聞けば夢は変わっておらず、専門学校を優秀な成績で卒業したとかなんとか。
美味しいと評判のケーキ屋「ストラスアイラ」で働き出したばかりだということを言葉でお祝いしつつ、今度その腕前を披露してもらう約束をした。
本当はケーキが食べたいだけなんて本音は即バレしたので、ならばとお持ち帰り用もお願いしてみた。
もちろん、まゆらちゃんへのお土産である。
「相変わらずのシスコンだな」
「ははは、なんとでも言ってください」
「お前の妹の彼氏にだけは、絶対になりたくないな」
「失礼ですね。まゆらちゃんは、とっても素敵な女の子なんですよ!」
「どれだけ素敵だろうと手を出したが最期、わたるという名の悪夢に襲われそうで嫌だ」
「……岡内くん、酷いです」
岡内くんはワタシと同様になかなか「イイ性格」へと育ったようだ。
あの爽やか少年の面影が少し恋しい気もするが、これはこれで楽しく付き合っていけるだろう。
若干、馬鹿正直すぎるような気もするが、外面ばかり良い人間よりは付き合いやすいというものだ。
懐かしの友よ、再びよろしく付き合ってほしい。
ついでに美味しいケーキでも頼もうか。
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ハピファミ・エクストラ本編に入る少し前……前、です。
アレ?本編入らなかっ、た;;