• テキストサイズ

【ハッピー・ファミリー】ハピファミ!

第8章 ハピファミ!8


「まゆらちゃん!美味しいケーキ屋さん、発見しましたよっ」

「ええっ、どこどこ?」

「道場の帰り道にあるので、今度お土産買ってきますね」

「うん!ありがとう、わたるちゃん」


心の底から嬉しそうに笑うまゆらちゃんに、ワタシの顔もやばいくらいに緩む。
愛するまゆらちゃんのためなら、どんなに遠い場所のお菓子だって手に入れてみせます!
ついそんな言葉をポロリとこぼしてしまったワタシに。


「わたる、そんな言葉をいったいどこで覚えてきたの?お願いだから、よそのお嬢さんには言わないように気をつけてちょうだい」


という母親からの突っ込みが入った。

さらに、とどめとばかりに「女タラシな娘だなんて、お母さん困っちゃうなぁ」などと言われ、とても微妙な心境になった。
きょとんとした表情のまゆらちゃんだけが唯一の癒しである。

きっとこんな風に、愛する片割れにもワタシの知らない多くの出逢いがあるのだろう。
それを素直に喜ぶのとは反対に「寂しい、イヤだ」と、どうしようもなく狭量な心が呟く。

どうかせめて、全てとは言わない。
あなたが感じたものたちを、十分の一でも百分の一でもいいから。
ワタシにも共有させてほしい。

それは、ささやかな願い。そして、欲張りな望み。



■□next→9■□
オカウチ少年とケーキ屋のオジさんに遭遇。
岡内の下の名前がわからず見つからず、かなり探した記憶が懐かしい……そしてまた忘れましたお約束。
(ここのお話は「カトゥル・カール」を参考に)
/ 59ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp