第6章 ハピファミ!6
「そういえば、今うわさの美少年って知ってる?わたるちゃん」
「そんな噂があるんですか?」
「うん。なんかね、よく図書室にいるみたい」
「……へぇ」
「わたるちゃんも、いつも図書室にいるよね。見たことある?」
「……いえ……見たことありませんね」
いくらなんでも、違うと思いたい。
しかし残念ながら、他に思い当たる人物像がさっぱり浮かばなかった。
だからといって、いくらなんでも「まゆらちゃん、その美少年ってもしかしたらワタシかもしれません」などというナルシスト宣言にも等しい言葉を言えるわけがない。
たとえ、まゆらちゃんがどれほど知りたがっていたとしてもこればかりは無理だ。
どうか、まゆらちゃんが噂の正体を知ることがありませんように……と、祈るばかりである。
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出席番号と席は男女混合で、体育は男女ともにハーフパンツ。
水泳はサボっているため、性別を勘違いしている人はわりと多かったり。
わたるさんは自分の顔がそれなりに整っていることを自覚した上で有効活用……したら妙な噂が流れてしまったとかいう誤算。