第12章 君に素直になる方法
「あのさ…和奏ちゃんは元気?」
開口一番にこれだ。
ノロケ話なら聞く気は…ん?
「は?知らねえよ。お前の方が連絡取ってんだろ?」
「俺さ、あの日フラれちゃったんだよねぇ。ってか、それも聞いてないの?」
え?
木兎がフラれた?
和奏に??
「じゃあ、お前…何で絶好調なんだよ?」
「そこ!?だって…好きな子持ってかれた上に、バレーも負けました…じゃ、ダサ過ぎだろ?」
持ってかれた上に…って。
突然の事に全然頭がついて行かない。
「やっぱり、黒尾君も和奏ちゃんも…。まさか本当に何もアクションしないとは…。」
「だから、何の話だよ!」
「俺、和奏ちゃんに黒尾君が好きだからってフラれたんだ。これで意味わかる?」
「意味…わかんねぇよ。」
だって、あの時の涙は?
木兎の浮気に本気で落ち込んでたじゃねぇか。
だから、俺は…。
「別にいいんじゃない?意味わかんなくても。でも、自分がどうしたいかまで、わかんないほどお馬鹿じゃないよね?」
俺がどうしたいか…?
そんなのとっくに決まってる。
「何で、わざわざ、この事俺に伝えるんだよ。」
「和奏ちゃんがそれを望んだからだよ!…なんて、黒尾君のマネ。どう?似てる?」
「似てねぇ。」
悔しいけど、俺より、木兎の方が何倍もカッコいいじゃねぇか。