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【ハイキュー!!】君を騙す方法 R18

第11章 自分に素直になる方法


「木兎さん…私、今回の事は別に怒ってないんです。」

木兎さんが何とも言い難い表情で私の言葉の続きをうながす。

「と言うか…怒れなかった。そりゃ、少し驚きはしましたけど…考えれば考える程、木兎さんはモテるから、そんな事もあるだろうなぁって。自分でも悲しくなるくらい怒りは湧いてこなかったんです。その時に…気付いてしまいました。自分がちゃんと木兎さんに向き合って無かった事に。だから、私に怒る資格なんてありません。このまま…木兎さんと付き合う資格も。」

言い終わった私をはははと、軽い笑いを漏らしながら木兎さんが見た。

「まさかの、めちゃくちゃ怒って…殴ってくれた方が嬉しい展開。」

「木兎さん…ごめんなさい。」

今度はこちらがガバッと頭を下げる番だ。
木兎さんの悲しそうな表情なんて、初めて見たから…思わず目をそらしてしまったのもあるけど…本当に反省している。

「和奏ちゃんに謝られると、俺困るよ。顔を上げて?今更、こんな事聞いても仕方ないってわかってるけど…今回の事が無ければ、俺と付き合ってたかも?」

今回の事が無ければ…きっと、木兎さんと付き合って居ただろう。
そして、きっとそれなりに幸せになったいたはずだ。

ゆっくりと頷けば、頭を抱えた木兎さんが大袈裟に空を仰いだ。

「うわー。後悔してもしきれないなぁ。」

私も…いつかこの決断を後悔するのかもしれない。
真っ直ぐで、純粋で、たまに浅はかだけど…私のことを大切に思ってくれる木兎さんの彼女になれば、きっと笑って過ごせるはずだから。

「木兎さん…本当にありがとうございました。」

こんな私を好きだと言ってくれて。

「……。最後にもう一つだけ教えてくれる?」

「何ですか?」

じっとこちらを見つめる木兎さんの瞳が、嘘は許さないだろう。

「黒尾君と付き合うの?」

今度は首を横に振る。
いくら望んでも、そうはならないだろう。

「黒尾先輩には…何とも思われてませんから。」

嘘じゃないので、しっかりと木兎さんの瞳を見ながらそう伝えた。
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