第1章 小さな嘘の始め方
「もっといい声聞かせろよ。」
黒尾先輩の手が下着に進入してくる。
知識としては知っている。
けど…胸への刺激だけであんなに凄いなら、どうなってしまうのだろう。
クチュっという小さな水音と共に、先輩の指が中に入ってくる。
「ひ…やぁ…」
心配してた痛みは思った程ない。
ただ…初めての感覚に既におかしくなりそうだ。
「うわぁ。グショグショじゃん。期待してたのか?」
黒尾先輩の意地悪そうな笑いを見る。
…うぅ、やっぱりカッコいい。
「くろ…お…せんぱ…い。」
強弱をつけた刺激に完璧にお手上げ状態だ。
こんな状態では慣れたフリなんてあったもんじゃない。
「やぁ…だめぇ…。」
頭が真っ白になりかけた所で、黒尾先輩が指をサッと引き抜く。
「あぶね。指だけでイカすところだった。感度よすぎだろ。」
今の…イクって…こういう事か。
何だか息が苦しくて、はぁはぁと酸素を求めた。
「なぁ、和奏。俺のも気持ち良くして?」
黒尾先輩が自身のを取り出してこちらに見せてくる。
あっ…手とか口でやるんだよね?
本でしっかり勉強したつもりだが、自信がない。
そーっと黒尾先輩のに触れる。
うわ、熱くて硬くなってる。
手を動かしながら、黒尾先輩の顔を盗み見ると、
少し顔を歪めている。
黒尾先輩も…感じてくれてるのだろうか。
何だか愛おしくて、躊躇する事なく黒尾先輩の物を口に含んだ。
やり方がわからなくて、舌を必死に動かしたり、吸ったりしてみる。
「フェラはあんま慣れてねぇの?まぁ、ぎこちない感じもいいけど。今度ゆっくり仕込んでやるよ。」
慣れてないどころか、初めてです。
そんな自分の中で消化するしかない訂正を手早く飲み込んだ。
それよりも黒尾先輩が何気なく口にした「今度」の言葉が震えるほど嬉しい。