第8章 君への気持ちを自覚する方法
和奏を先に返して、ほとんど手付かずの本を分類していく。
俺…マジで何してんだよ…。
あれから、和奏は一言も口を聞かなかった。
きっと俺の謝罪も彼女には届いてないだろう。
泣き止まない和奏に、図書委員の仕事は俺がやるから先に帰れと伝えると逃げるように出て行った。
はーっと深いため息が出る。
流石に…さっきのは無いわ。
自分で言うのも何だが、女の扱いはそこそこ慣れている。
どう扱えば喜ぶのか、俺に振り向くのか…わかっているのに…和奏相手じゃそんな小手先の技術を使う余裕がねぇ。
これは…挽回出来ないかもなぁ。
まぁ、これも俺らしいか。
適当でチャラくて、女遊びが激しくて…。
さっき和奏は木兎と付き合うような事を言っていた。
考えただけでムカつく。
こんな気持ちになるから、誰かを好きになるなんて嫌だったんだよ。
和奏の先程の表情が思い出される。
笑った顔、怒った顔、睨んだ顔…泣き顔。
くそ…どんだけ和奏にハマってんだよ。
自分でめちゃくちゃにしたくせに。
2人で片付ける予定だった本の山を眺めて、また深いため息をついた。