• テキストサイズ

【ハイキュー!!】君を騙す方法 R18

第8章 君への気持ちを自覚する方法


俺も…何でこんな思い通りにならない女が好きなんだ。
数ヶ月前のニコニコなんでも同意してくれた和奏の方が100倍可愛げがある。

でも…俺が欲しいのは、目の前にいるどうにも思い通りにならない和奏だ。

「何…イライラしてんのか知らないけどさ…。あっ、欲求不満でイライラしてんじゃねぇの?木兎じゃ満足出来ないの?俺が気持ちよくしてやろうか?」

イライラしてるのは和奏じゃない。
俺の方だ。

じゃなきゃ、こんな誰が聞いても間違った口説き方…俺がするはずねぇんだよ。

ただ、少しでも木兎より俺の方を見て欲しいかった。
数ヶ月前まで当たり前の様に肌を重ねて居たのが、嘘じゃないと思い出させたかった。

「黒尾先輩…最低です。…木兎さんの方が100倍マシ。」

間違ってもそんな言葉を聞き出す為に言ったんじゃない。
木兎に負けてるって、わざわざ和奏の口から聞きたかった訳じゃない。

何を考えてるのか自分でもわからないけど…
気付いた時には和奏を本棚に押さえつけて、キスで唇を塞いでいた。

とにかく黙って欲しいような、
俺を好きって言った気持ちを思い出して欲しいような、
最悪だと思われてるなら、一層徹底的に嫌われたいような、
何とも言えない気持ちだった。

「ん…ん…」

両手で俺を押し返してくるので、邪魔できないように掴んで、和奏の頭上にまとめ上げる。

しばらく濃厚なキスを交わす。
和奏の気持ちいい所は知ってる。
キスだけでも反応して、欲しくなっちゃうって事はわかってる。

「…どう?続きしたくなったか?」

和奏が完璧に感じてしまっているタイミングで唇を解放する。
今までみたいに和奏から俺を求めて欲しい。

和奏は俺の希望に反して、全身で俺を強く押し返すとそのまま右手を勢いよく振り上げた。

あっ、叩かれる…。
そう思い条件反射で身構えるが、振り上げた右手が下りてくる気配はない。

和奏の方を見ると、至近距離で視線がぶつかった。

「黒尾先輩なんて…大嫌いです。」

和奏の瞳から涙が流れた。

それも俺の聞きたかった言葉じゃねぇよ…。
/ 104ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp