第4章 無関心の装い方
「ちょっとクロ。今の会話なに?聞き捨てならないんだけど。」
ビックリしたー。
木兎にばっかり気を取られていて、研磨がこんなに近くに居ることに全く気付いてなかった。
「驚かすなよ!」
「ちょっと、僕の話無視しないでくれる?煮るなり焼くなりお好きどーぞって…皐月の事じゃないよね?」
「あっ?そうだと何か問題あんのかよ。」
また研磨が怒ってらぁ。
対応するのが面倒で頭を掻いてしまう。
「大有りなんだけど。何で、あんな猛禽類に差し出すような真似するのさ!?」
しかも、いつもより感情的とか。
珍しい…。
でも、今は俺、その話題を話し合いたい気分じゃねぇんだけど?
「差し出すも何も、猛禽類が勝手に目をつけたんだろ。それに和奏だって満更でもなかったぞ。」
はーっと研磨がため息をつく。
いやいや、ため息つきたいのは俺だよ。
「本当にクロって馬鹿。皐月が猛禽類の餌になるような事があったら許さないからね。」
何でお前、和奏のことにそんなに熱くなってんだよ?
聞こうかと思って辞めた。
別に俺には関係ない話だ。
研磨が怒ろうと。
木兎が何をしようと。
和奏が誰を選ぼうと。
そう…俺には何の関係もない。