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【ハイキュー!!】君を騙す方法 R18

第4章 無関心の装い方


side 黒尾 鉄朗

「あー、黒尾くーん!おーい!」

型にはめられたデートごっこを抜け出して、
ようやく楽しめそうな雰囲気になって来たのに。

「げっ…木兎。」

向こうからやって来る見慣れた2人組に思わず声が漏れる。

「ぼくと…?」

不思議そうにこちらを覗き込む和奏。

そうか。
木兎は女子に人気もあるし、当然のように知ってると思ってたけど…和奏は知らないのか。

俺じゃなくて木兎でも…って言いだしかねない他のセフレ達と比べて、少し嬉しい気分になる。

お前の事、知らねぇんだとよ。
木兎にそう言ってやりたい優越感さえ覚えた。

「梟谷のバレー部。エースとセッターだよ。あの派手な髪型の方が木兎。目つきの悪い方が赤葦。」

説明してもピンと来てない様子に笑いそうになる。

「ちょっと、黒尾くんー!俺のこと紹介するなら、ちゃんと全国5本の指に入るって事も伝えてよ。」

「木兎さん、それじゃ何の全国5本の指か全くわかりませんよ。」

相変わらず木兎は騒がしい。

「黒尾君の彼女ー?」

そして、思ってもない余計な事を言う奴だ。

木兎を黙らせる為なら、別にこの場は肯定してもいいんだけど…。
彼氏なんて要らないと公言してる和奏からしたら迷惑な話かもな。

「違いますー。仲の良い後輩ですー。」

これが妥当な答えだろう。
和奏の方に視線を向けると、木兎なんかに頭を下げながら自己紹介している。

「黒尾先輩の仲の良い後輩の皐月 和奏です。」

和奏も仲が良いと思ってくれている様子で、悪い気はしない。

それより…目の前で獲物を見つけたように目を輝かせてる猛禽類の方が問題だ。
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