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【ハイキュー!!】君を騙す方法 R18

第3章 気を引く為の駆け引きのやり方


「とにかく座れよ。」

黒尾先輩にそう促されて、向かいの席に腰を下ろした私の目の前に、
待ち構えたようにパスタが運ばれてくる。

…まだ、何も頼んでません。

店員にそう伝えようかと、黒尾先輩を見ると、
口元だけで笑顔を作っている。

「俺のオススメ。頼んどいた。」

この状況の全てに納得して、思わず吹き出してしまう。

「黒尾先輩のオススメって…。このお店自体が先輩っぽくないのに、流石に無理がありますよー。デートの途中に彼女さんを怒らせて帰してしまった…とか?そんな感じですか?」

おかしすぎて、笑いが止まらない。

デートどころか、穴埋め要員じゃないか。
例えば、黒尾先輩が少しでも私に気があるならば、
こんな穴埋めには誘わないだろう。

少しでも期待して…損した。

「彼女じゃありませーん。たった今終わったセフレですー。」

おちゃらけた感じでそう返す黒尾先輩。

私は惨め過ぎて、泣きたい気持ちになる。
けど、ここで泣いては黒尾先輩に引かれるだけだろう。

泣いちゃダメ…。

「なかなか素直でよろしい!では、本日は精一杯穴埋めさせて頂きます。」

ワザと強がって、ふざけた調子で言ってみると、
黒尾先輩が嬉しそうに笑った。

どんな理由があろうと、黒尾先輩とデート出来るんだ。
この機会を逃したら次はいつかわからない。

身体を重ねなくても、
私と居るのが楽しいと思ってもらう機会だ。

帰ってしまったセフレを彼女さんと何度も呼んでネタにして、
自分の傷をえぐりながらも、開き直っているうちに食事が終わった。
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