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【ハイキュー!!】君を騙す方法 R18

第2章 上手な自分の作り方


「早かったじゃん。」

少し息が上がっているくせに、にっこりと笑って「たまたま近くに居たので」と言ってのける和奏。

あぁ、こいつも役割を演じているのかもなぁ。
俺の中でぼんやりとした仲間意識が芽生える。

店員がすかさずパスタを運んできた。

「俺のオススメ。頼んどいた。」

まぁ、俺も食った事無いけど、
そんな事は教えてやる必要はない。

和奏は少し目を見開いた後に、プハッと笑った。

「黒尾先輩のオススメって…。このお店自体が先輩っぽくないのに、流石に無理がありますよー。デートの途中に彼女さんを怒らせて帰してしまった…とか?そんな感じですか?」

よほどツボにハマったのか、ヒーヒーと笑い続けている。

「彼女じゃありませーん。たった今終わったセフレですー。」

「なかなか素直でよろしい!では、本日は精一杯穴埋めさせて頂きます。」

冗談めかした様子で笑い掛けてくる和奏に、こちらもつられて笑ってしまう。

本当…調子の狂う奴だ。

パスタを食べ終わって、2人で映画館へ向かう。

「んで、その彼女さんとどんな映画を観る予定だったんですかー?」

穴埋めだとわかって、ここまで開き直って付き合ってくれるような女は…初めてだ。

和奏は本当に彼氏とか、面倒なだけなのだろう。
可愛いのに、勿体ねぇ。

「コレー。」

食事中にも散々いじられた彼女さんネタは、いちいちツッコまずにチケットを渡す。

「これは…また…。黒尾先輩…よく付き合うつもりでしたね。この手のラブストーリーとか…全く興味ないでしょ?」

うわー。とチケットを覗き込んでる様子を見る限り、和奏の趣味でもないのだろう。

「僕は紳士なので、女性の要望にはお応えするのが基本なんですー。」

俺の反応に、あははと楽しそうに笑う和奏。

「じゃあ、私の要望も聞いてくれますか?チケット無駄になっちゃいますが…この映画じゃなくて、別のやつが観たいです!」

和奏が指定したアクション映画を聞いて、
それなら俺も楽しめそうだと、和奏の頭をクシャっと撫でる。

和奏の前では、いつも上手く「俺」を演じる事が出来ない。
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