• テキストサイズ

【ハイキュー!!】君を騙す方法 R18

第1章 小さな嘘の始め方


それから、黒尾先輩が欲を吐き出すまでは夢中だった。
黒尾先輩の首にしがみついているだけでは、初めて襲ってくる快楽に耐えきれず、
両足も使って先輩にしがみついていた。

「いやぁ、予想以上に良かった。ってか俺ら、身体の相性バッチリだな。」

ベッドに横になる私の頭を黒尾先輩がクシャっと撫でる。

私、黒尾先輩に頭撫でられるの好きだなぁ。

何だか、凄いご褒美をもらった気がして、思わず笑顔になる。

黒尾先輩を…独占したい。
出来る事なら、私だけを見て欲しい。

だから…この一瞬で終わってしまう幸せなんて、自分から捨ててしまわなくてはダメだ。

「ですね。また遊びましょうよ。時間空いてたら付き合ってあげてもいいですよ♫」

腰の痛みを我慢して、ベッドから出てさっさと服を着る。

「ったく、そういうのは男の台詞なんですけどー。ってか、もう帰んの?もうちょっとギューってさせろよ。」

一瞬の誘惑に負けちゃダメだ。
黒尾先輩の中のその他大勢から抜け出すんだ。

「じゃあ、次の機会にたくさんギューってしてくださいね。お邪魔しました!」

そう。見下されちゃダメだ。
呼べばいつでも来る都合のいい、
でも、思い通りにならない女でいなくては。

黒尾先輩の家を出た所で、バッタリ孤爪君と鉢合わせた。

「皐月…クロの家でナニしてたの?」

そうか…幼馴染って、近所に住んでるって事だもんね。
何って…わかりきった顔をしてるくせに。
孤爪君は本当に何を考えているか、わからない。

「ご想像の通りだよ。」

「…そんなにクロとヤリたかったの?皐月ってそういうタイプだっけ?服装とか…化粧も…似合ってないんだけど。」

別に…ヤるのが目的じゃない。

「こうでもしないと、黒尾先輩と話すどころか、視界に入る事すら出来ないでしょ。作戦成功だよ!」

ピースを顔の前に出す。

「作戦が下らなさ過ぎて…頭痛くなる。」

孤爪君の意見など関係ない。

黒尾先輩が私の名前を覚えてくれた事。
話しかけて、笑いかけてくれる事。
頭を撫でられる事。
身体を重ね合わせた事。

その事実の方が100倍重要だ。

高校2年の春、初恋をした。
そして、小さな嘘の始まりだった。
/ 104ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp