第2章 オシオキ
「………俺、澪とセックス
したいだけなのに、なんで
そんな酷い事言うの?」
「…………ッ、」
「…ねぇ、澪ってば。」
「………嫌だっ………駄目…。」
首を振って拒否をする澪。
はぁ………こんなけ押しても駄目か……。
なら、こっちが引くしかないかな。
「………あっそ。じゃあもういいよ。」
澪の胸板を押して、
抱擁から解放する。
「………え…?」
澪は思わず俺の顔を見上げた。
やっと俺と目が合ったけど、
もう遅いよ。俺、怒ったから。
澪に背を向けて玄関の方を向く。
帰ってやるさ、澪なんて知るか。
「他の人でも出来たんでしょ?
その人の方がセックス上手いから、
俺とのセックスは嫌ってワケ?」
「………っ違う!」
「違わないし、俺も別に構わないよ。
その人の方が体の相性合うなら
付き合えばいいじゃん。」
「ま、待って……退!!」
「待たない。先に拒否したのは
そっちじゃないか。
別に俺以外にも澪の事好きな人
たくさんいるから、きっと皆喜ぶね。」
「そ、そんな人、いないっ!俺には退しか…」
「そんな人?…馬鹿だね、澪は。
副長も、沖田隊長も、万事屋の旦那も…
…皆、澪の事が好きなんだからさ。」
「…えっ、………そんな、嘘…だ………」
「本気で知らなかったの?ホント鈍感だね…。
でも、いいよね。これで知れたから。
『別れて寂しい』って泣きながら言えば
きっとみんな俺より上手に抱いてくれるよ。
いいじゃんそれで。もう、別れよう。」
「………………………ッ」
澪はついに俺から目を離し、俯く。
玄関から出ようとすると、
腰に腕が巻かれた。
「嫌だ…退………行かないで………。」
「………。」
「…俺が好きなのは…退だけだから…。」