【イケシリ】sweet dreams*2【短編集】
第1章 あなたの色に ーアーサーー
「そして、きみは俺に対して冷たい態度を取り始めた。
これはどう考えても俺の好みを知って、それに近づくことで俺の気を引きたかったって結論にしか結びつかない。
どう?あってる?」
全部お見通しだよとでもいうように目を細めるアーサーに、は観念する。
「うん……。」
「んー、やっと素直になってくれたね。いい子。でもさ、俺、ツンデレが好きっていったけど、その意味わかってる?
デレてくれなきゃ、意味ないんだよ?」
アーサーが肩にかかる髪をさらりと撫でてもう一歩近く。2人の距離はさらに縮まった。
「や、あ、あのちょっと、待って。」
「なんで?俺の気が引きたかったんじゃないの?」
「そうだけど、恥ずかしい……。」
「甘えるの苦手?じゃあちょっと手伝ってあげるから……俺にもっとデレて見せてよ。」
「んっ…… 」
躊躇なく重ねられた唇にはすぐに舌が滑り込み、強引なわりに優しく絡み合う感覚にの身体は熱を持ち始める。
理性が溶けていき、気がつけば離れた唇を物欲しそうに見上げていた。
「っは……アーサー…もっと… 」
「可愛い……。」
深い口づけでお互いを求め、それぞれの手はお互いの身体をなぞる。
「私、あのネコちゃんにちょっと嫉妬してた。
アーサーにあんな風に可愛がってもらって、羨ましかった。」
「なんだそんなこと?
とは、あの子とはできないことできるじゃん、こうやって。」
3度目のキスはまぶたや耳たぶに降ってくる。
くすぐったさと芯が痺れる感覚にに身をよじらせながらは反論した。
「でもキスは、あの子ともできるでしょ?」
「……、それ、誘ってるようにしか聞こえないんだけど?」
「アーサーと、もっと、したい……。して?私としかできないこと。」
「デレてってお願いしたの、俺だけど。
いいの?そんなこと言って、知らないよ。」
そう言うと、自分の上着を脱いでのブラウスにも手をかける。
一枚ずつ衣類を落としながら2人はベッドにたどり着いた。