【イケシリ】sweet dreams*2【短編集】
第4章 あなたに焦がされて —王宮アラン―
先に部屋に入ったは背中で扉の閉まる音を聞きながら、立ち止まった。
「で、なにしてくれんの?」
すぐ後ろに立ったアランが、小さく囁いた。
「えっと……。」
頭の中では色々と展開が巡るけれど、自分からはそう簡単に動けない。
「おまえさ、さっき俺のせいにしてたけど、自分がもっとして欲しかったからあんなこと言ったんじゃねぇの?」
「え、ちがっ……。私だけしてもらったから……私だってアランのこと触りたいし……。」
「へぇ、なんかおまえ大胆になったな。前はそんなこと言わなかったのに。」
「前の方がよかった?」
不安そうな声を出すを後ろから抱きしめる。
「そんなこと言ってないだろ。それに、俺がお前のことそうしたんだと思ったら気分いい。」
まだ身を固くしている様子なのがわかって、そのままくるりと自分の方を向かせた。
「緊張しすぎ。じゃあ、とりあえずキスでもしとく?もちろんおまえからだけど。」
「じゃあ、目、閉じて?」
「ん。」
長い睫毛が伏せられたのを確認すると、は肩に手を置いて爪先立ちになる。
唇を優しく食んでいるうちに、アランから深く求め始めた。