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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第3章 友情か






「金沢ですか?」

「そう。さっき帰って来たんだ。」

部屋に入るなり、佐久間さんは重そうな紙袋をガサゴソと開けた。

中から出てきたのは金沢の魚である『のどぐろ』の一夜干しと日本酒。

「旅行ですか?」

「いや、仕事で。
一緒に食べようと思って買って来たの。」



美容師にも出張があるのかと、私はスーツの上からエプロンを着ける。

この2ヶ月間姿を見せなかったのも、そのせいだったのかと思うと少しほっとした。

決して私の事を忘れていたわけではない。

それどころか、出張先でも私の事を思い出してくれていた。

“一緒に食べようと思って”

その言葉には妙なくすぐったさがあったが、悪い気はしなかった。



髪の毛からはほんのりと炭の匂いがした。

焼き鳥屋に3時間もいたのだから当然だ。

本当はすぐにでも着替えてシャワーを浴びたい。

それでも、ご飯を待つ犬のように定位置であるローテーブルの奥に座る佐久間さんを見ていると、身体は自然とキッチンに向かっていた。






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