第3章 友情か
“タバコの事は口外したりしないから”
そう約束してくれた事にも感謝しかない。
小松加奈…これで彼女も退学になる事はないだろう。
しかし、今後はもう屋上でのタバコは止めさせた方が良さそうだ。
次に見付かった時は本当に退学になってしまう。
“小松さんの事は私も気になってたから、何か出来る事があれば力になるよ”
愛美先生はそう言っていた。
何とも頼もしい言葉だ。
私と違い、愛美先生は生徒達の心のケアには長けている。
もし今後彼女への対応に悩む事があれば、愛美先生に相談しようと思う。
きっと…力になってくれるはずだ。
重たい水のペットボトルが入った袋を持ち直す。
今日はずいぶんと気分が良い。
それは久しぶりに飲んだお酒のせいか、愛美先生と過ごしたせいか…。
心が軽くなった…そう思うのは、やはり愛美先生のおかげだ。
誰かと時間を共有する。
たまにはこんな日も悪くないと、私は静かにアパートの階段を上った。