第3章 友情か
◇◆◇
すっかり遅くなってしまった。
しんと静まりかえった深夜の住宅街を歩く。
先ほどまでの賑やかさとは対象的だ。
少しずつ、少しずつ、いつもの自分へと気持ちが戻っていく。
火照った頬にあたる夜風がとても心地良かった。
コンビニで水を買い、家路を行く。
明日は土曜日、早起きをする必要はない。
たまには昼まで眠ってみようか。
料理もせず、洗濯も掃除もせず、ただダラダラと過ごす休日。
そう思っていても私には無理そうだ。
きっと…いつもと同じ時刻に目が覚め、考えずとも身体は動き、ただ淡々と家事をこなすのだ。
それにしても、愛美先生には驚かされた。
私はきっと、知らず知らずのうちに壁を作っていたのだと思う。
相手に対しての勝手なイメージで苦手意識を生み出していた。
もっと早くお互いの事を知っていたら…そんな風にさえ思ってしまう。
しかし、今まで愛美先生の誘いを断り続けてきたのは私の方だ。
こんな私に愛想をつかさずにいてくれた愛美先生には感謝しかない。