第3章 友情か
「じゃあ…私は“根暗な数学教師”ですね。」と私は笑った。
そんな私を見て、愛美先生はまた声をあげて笑う。
「じゃあ、また“保健室のオバサン”と“根暗な数学教師”で飲もうよ。」
「はい。」
「合コンもしちゃう?」
「いえ、ちょっとそういうのは…」
「冗談だよ。」
二人で目を合わせ、笑う。
もともと親しい友達が少ない私にとっては、愛美先生は東京で出来た初めての“飲み友達”かもしれない。
それと同時に、兄弟のいない私にとって一回り以上も年上の愛美先生は“お姉さん”とでも呼べる存在か…。
どちらにせよ、私にとっては貴重な人だ。
「今日は終電まで飲むよ!!
お互いの事を知るには、お酒を飲んで話すのが一番なんだから!!」
「はい。」
煙の立ち込める焼鳥屋に、私達の笑い声が響いた。